1番、日本共産党の大国陽介でございます。日本共産党を代表して、議第5号、出雲市助役定数を増加する条例について、討論を行います。
本条例制定の理由として、新市建設計画の着実な実行、事務処理を迅速に行う、行財政改革の強力な推進、この3つが合併に関連して挙げられています。今回の合併は住民自治の主体者である地域住民の意思から生まれたものでも、団体自治の担い手である地方自治体の意思から生まれたものでもなく、国による上からの押しつけであることは明白です。
事実、この間の政府による市町村を無理やり合併に追い込むための財政締めつけ、そして三位一体改革の名のもとによる地方交付税の大幅削減など、地方自治体切り捨ては目に余るものがあります。合併により住民からは福祉や教育などのサービスが低下するのではとの心配の声が寄せられており、合併による広域化あるいは住民ニーズにこたえるために、事務処理を迅速に行う必要があるということは言うまでもありません。しかしながら、理由の1つである行財政改革を強力に推進することは、市民生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
本年3月29日、総務省が策定した地方公共団体における行政改革推進のための新たな指針が通知されました。総務省は指針で各自治体に05年度から09年度までの具体的な取り組みを明らかにした集中改革プランをつくり、05年度中に公表することを求めています。また、集中改革プランの内容として、事務事業の再編整理、指定管理者制度を含む民間委託等の推進、過去5年間の全国総定員の純減実績を上回る定員削減目標の設定など9項目を盛り込むことを指示しています。そして、総務省は都道府県、政令指定都市から都道府県は市区町村から提出された集中改革プランについて必要な助言を行うとともに、毎年度フォローアップを実施し、その結果を公表するとしています。このことは国と都道府県の事実上の指導下で政府の意向に沿った行革を徹底させようというものであり、政府の言う地方分権にも真っ向から反し、地方自治を根本から踏みにじるものと言わなければなりません。国が地方自治の切り捨ての施策を進める、このような流れの中で、行財政改革を推し進めることは地方自治体の本来の役割である福祉の増進をないがしろにするものと言わざるを得ません。
事務事業の見直し、職員の削減、各種補助金・負担金の整理・合理化は住民サービスの低下につながります。定率減税の縮減、廃止や介護保険料の値上げなど、相次ぐ負担増で市民の暮らしは大変です。お年寄りからは年金が減らされ、病院へ行くのも我慢をしているなど、切実な声をお聞きします。このような状況のもとで、年間給料1,000万円をはるかに超える助役を2名配置するということは市民の理解が得られるものではありません。よって、本条例案には反対であります。
以上で討論を終わります。
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