1番、日本共産党の大国陽介でございます。議案1件、陳情4件について、討論を行います。
まず、「議第57号、出雲市公益法人等への職員の派遣等に関する条例」についてであります。
本条例案は、本市の一般職員の外部の団体に派遣するためのものであります。条例案によれば、派遣先は民法で定める財団法人、社団法人及び政令で定めるもののうちから、規則で定める法人となっており、第三セクターへの派遣にも可能性が残されています。地方公務員法第30条では全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ職務の遂行に当たっては全力を挙げてこれに専念しなければならないとされています。営利を目的とする第三セクターへの職員派遣に可能性を残す本条例案は、この規定に抵触する恐れがあり、容認できません。
次に、陳情第7号、「「21世紀出雲神話観光大国の創造=大社門前町開発事業」出雲阿國座(仮称)の創設・泉源活用事業等の推進についての陳情」、陳情第8号、「「21世紀出雲神話観光大国の創造=大社門前町開発事業」神門通り賑いの創出・観光型企業誘致の推進についての陳情」、「陳情第9号、「21世紀出雲神話観光大国の創造=大社門前町開発事業」神門通り整備事業・歴史回廊整備事業等の推進についての陳情」についてであります。
観光振興に力を注ぐことは、言うまでもなく、本市の大きな課題であり、同時に、いかにこれを進めていくのか、市民からは大きな注目が寄せられています。これらの3つの陳情は、いずれも昨年8月に立ち上げられた21世紀大社門前町開発調査検討会議が本年2月に提出した最終報告の内容の実現が不可欠であるとしています。観光振興や出雲大社門前町の再生に異を唱えるものではありませんが、まちづくりは住民参加のもと幅広く意見を集約したもとで行うものであると認識しています。わずか半年間の議論で検討会議が提出した最終報告では、出雲阿國座の創設、神門通りの駐車場の整備、温泉の活用などで提言がなされていますが、出雲阿國座の建設や神門通りの駐車場の整備は、一部の人で決められている、多額の税金を投入してまで行うべき事業ではない、これ以上箱物は要らない、活性化にはつながらない、税金はもっと暮らしや福祉に回すべきなど、非常に多くの住民から異論の声が寄せられており、21世紀大社門前町開発調査検討会議の最終報告に対して住民合意はほとんど得られていません。この報告に行政が従い、施策を推し進めることは観光行政のあり方のみならず、本市のまちづくりのあり方が根本から問われてきます。
委員長報告では、陳情第7号は継続、第8号は趣旨採択、第9号は採択でありますが、住民の意見と乖離するこれらの陳情は、いずれも不採択にすべきものと考え、委員長報告に反対であります。
最後に、陳情第2号、「「国指定史跡西谷墳墓群史跡公園・出雲弥生の森」の早期整備及び出雲弥生博物館(仮称)の建設促進を求める陳情」についてであります。
この陳情は、第1に出雲弥生の森史跡公園の早期整備を求め、第2に埋蔵文化財センターの機能を含む出雲弥生博物館の早期整備を求めるものであります。私は、歴史文化の振興や埋蔵文化財の重要性を否定するものではありません。本市で出土した埋蔵文化財の現在の保存状況が満足できるものであるとも考えておりません。しかしながら、出雲弥生博物館は計画が縮小されたものの、外構工事と建物の建設費等を合わせ13億円近くの事業費を要する施設であり、年間の維持管理費は4,000万円程度と見込まれています。必要性は否定しませんが、今すぐに急いで建設すべきものでもありません。特例債の使用期限は合併後10年間であり、建設費や維持管理費を広く住民に知らせ、合意を得た上で建設するのがふさわしいものと考えます。
以上のことから弥生博物館建設促進を求める本陳情は趣旨採択されることを求め、採択とした委員長報告には賛同できません。
以上で終わります。
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