本日の臨時議会で行った討論は以下の通りです。
一番、日本共産党の大国陽介です。議案2件について討論を行います。 はじめに、承第3号「専決処分の承認について」であります。 この承認案件は、「出雲市税条例の一部を改正する条例」の専決処分について承認を求めるものであります。 今回の条例改正は、地方税法の改定に伴うもので、一つに、個人住民税の「上場株式等の譲渡益に対する株式譲渡所得割りにかかる軽減税率の適用期間を一年延長」すること、二つに、「住宅バリアフリー改修にかかる固定資産税の特例措置を創設する」こととされています。
株の売却益にかかる税率は、以前は、所得税、住民税合わせて26%の税率でした。これを20%に引き下げた上に、07年12月いっぱいまでの期限付きで10%に軽減していました。今回の法改定、及び条例改定はこれを一年間延長するものであります。また、この延長によって、出雲市での影響額は約9000万円と試算されています。 この税率引き下げによって恩恵を受けるのは、国税庁の2004年分の統計データによると、全国で20万人弱の人が1兆3570億円の譲渡所得を申告していますが、金額にして6割以上を占めるのは所得5000万円超の金持ち、7525人です。この税率が20%から10%に軽減されているという事は1人あたり1155万円もの減税という事になります。 株式配当所得や株式譲渡所得の税率が10%などという国は、欧米にはありません。アメリカでさえ地方税を含めて20%以上の税率です。 このことからみると日本はとんでもない「金持ち減税」を続ける事になります。庶民の預貯金にかかる税率は20%、働いて得た所得の最低税率も、所得税・住民税合わせれば15%であります。お金を右から左へと動かして得た利益を、10%などという低い税率で優遇するのは不公平であります。
住宅のバリアフリー改修工事にかかる固定資産税の減額措置については、大きな改善点でありますが、株式の譲渡益に対する軽減税率の適用期間を一年延長するこれらの法改定及び条例改定には賛同できません。
次に、議第1号「平成19年度出雲市一般会計第一回補正予算」についてであります。 本補正予算案は、「平成19年12月に新庁舎建設工事に着工するため、事前に中央病院跡地の既存杭撤去、ならびに地下室部分の掘削工事を実施する」予算を追加しようとするものであります。 市役所新庁舎の整備については、これまで述べてきた通り、現在の本庁舎の老朽化が進んでいることや、分庁舎の賃貸料、利便性などの問題を考慮したとき、建て替えを計画すること自体に異を唱えるものではありません。 庁舎の建て替えは、今後のまちづくりを考える上でも重要な事業であり、将来の財政負担や既存施設の活用を含め、住民参加のもとでの十分な協議と意見集約が必要であります。建設計画は、「平成20年12月を完成目標」とされており、拙速であります。よって本補正予算案には賛同できません。
以上で討論を終わります。
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