今、格差の拡大と貧困の増大が社会問題となる中、今月からは住民税の増税という更なる負担増が押し寄せています。このような状況のもとで地方自治体のなすべき役割は、住民の暮らしと福祉を守ることにこそあると考えます。
質問の第1は、日本が起こした侵略戦争を正当化する動きについてであります。今年の2月、市内の中学校で日本青年会議所が作成した「誇り」と題するアニメのDVDを教材にした授業が、近現代史教育プログラム共同運動として地元青年会議所によって行われました。
このアニメは、過去の戦争をめぐってこころという名前の女子高校生が過去から来た青年雄太から話を聞く形で進行していきます。雄太は日本が起こした戦争について、自国を守るために止むを得ず戦争した、アジアを開放するための戦争だったとの主張を繰り返し、朝鮮半島や台湾について、植民地支配という言葉はなく、日本はこれらの国を近代化するために道路を整備したり学校を建設したなどと述べています。物語の中で雄太は、こころを靖国神社に誘い、愛する自分の国を守りたい、そしてアジアの人々を白人から解放したい、日本の戦いにはいつもその気持ちが根底にあった気がすると語り、話を聞いたこころは、私がここにいるのは、過去に日本という礎を築いてくれたたくさんの人たちがいるから、そして正しい事実をきちんと知ることとつぶやきます。日本の侵略戦争と植民地支配を正当化する言葉があふれるこのアニメが、学校教育の現場に持ち込まれ、実際の授業の教材として使用されました。授業は2時間に及びグループディスカッションなども行われ、誇りシートと呼ばれる生徒の感想文には、日本や他の国を守るためには、戦争するしかなかったのではないか、日本が自分の国を守るために戦争したなんてはじめて知りましたなどと書かれています。
戦後50周年の、いわゆる村山談話では、「過去の過ちを二度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝え、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジアの諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた」とし、痛切な反省の意を表明しております。
また、1982年のいわゆる宮沢談話では、「アジアの国々の国民に多大な苦痛と損害を与えたことを深く自覚し、このようなことを二度と繰り返してはならないとの反省と決意が学校教育に当たって当然尊重されるべき」と表明しています。
学校現場で日本が起こした戦争を正当化するような教材を使って授業が行われることはあってはならないことだと考えますが、教育長の所見を伺います。
(教育長)
大国議員のご質問の日本青年会議所がつくりましたDVDアニメによる授業についての内容の答弁をさせていただきますが、このDVDアニメの「誇り」というのは、そのねらいとして私たち日本人としての視点から、次の次代を担う子どもたちに確かな歴史を伝え、この国をつくってくれた先人を敬い、家族愛、郷土愛からつながる国を愛し誇る心をはぐくんでいかなければならないと、そして国を愛し誇りとする心をはぐくむためには、まず、日本のすばらしさを伝える、こうした意味で、この国を愛する心が芽生え、本当に日本に生まれてよかったと、子どもたちに感じてもらいたいという考えで、日本青年会議所が作成されたものでございます。
このDVDを使って学校側とのこれを使った授業をということでございますが、内容は、議員もご覧になったと思いますけども、そのDVDの内容は、明治から昭和期にかけての歴史的事象のうち、日清、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争及び国際軍事裁判の概要を取り上げたものでありまして、戦争を一つの歴史観として、一つの見方考え方でこのDVDが作成をされたものでございます。
このDVDを使用した学習について、先ほど申し上げましたように昨年12月に地元の青年会議所から、一緒にこのDVDを使って授業をさせてもらえないかという話があったところでございます。地元青年会議所とのいろいろな話し合いの中で、学校側は直接このDVDを中身をチェックをしまして、このDVDには、歴史的事象を一つの見方考え方、歴史観でとらえてはいるけれども、やはり現在の歴史教科書の中身からすると、部分的に不足していたり、あるいは欠落している点があるという判断でございました。学校長を中心に関係の職員で、社会科の職員、学年会等で充分検討した結果、このDVDによる授業実施の後に、充分な補充学習を行えば、生徒はこれらの歴史的事象をより多面的、また多角的にとらえることができるのではないかという判断の中で、この依頼を受け実施をしたという報告を受けております。
実際に学校では、教科書に沿った学習内容できちんと指導されておりまして、このDVDを使った学習後も、この分野における歴史学習に6時間をかけて、正規のカリキュラムに沿って補充学習を実施していることを確認しているところでございます。
また、学校側は、今回の新聞報道等を受けまして、児童生徒はもちろんPTA、地域学校運営理事会に対しまして、今回の実施に至った経緯や、学校の考え方を説明をし、学校の取り組みに対し理解を求めたと伺っております。
このご指摘のDVDの今後の使用についてでございますが、現在の学習指導要領、歴史の中では、より多面的多様な歴史観を育てるということもございますけど、こういう主旨は充分分かりますが、現在の中学校の歴史、1年、2年と学んでまいりますが、判断力が充分に備わっていない中学生という発達段階であること、更には充分な事後学習、補充学習が前提となるということなどを考えれば、学校におけるこのDVDの使用については、充分に慎重を期すべきであるという考え方でございます。
既に、今月の定例校長会を通じまして、市内の小・中学校長に対して、そうした指導を行ったところでございます。
以上答弁とさせていただきます。
(質問)
答弁ありがとうございました。
次の質問に移ります。
質問の第2番目は、国民健康保険についてであります。今、国民健康保険はその土台をくずすような危機に陥っています。昨年の6月時点で国保料、国保税の滞納は全国で480万世帯、制裁措置で保険証を取り上げられた世帯は35万を超えています。国保証を取り上げられ、医療費を全額負担する資格証明書に変えられた人が、受診を控えて死に至る事件も続発しています。有効期間を1カ月、3カ月などに限定した短期証の交付も112万5,000世帯と、この10年間で8倍という激増ぶりも異常です。社会保障及び国民保険の向上を目的とし、住民に医療を保証するための制度である国保が、逆に社会的弱者を医療から排除している現在の状況は放置できません。本市においても決して例外ではありません。市内の国民健康保険の加入世帯は2万5,000世帯を超え、そのうち10%を超える世帯が保険料を滞納するという、異常ともいえる状況が続いています。最大の原因は、政府が1997年に国保法を変え、滞納者への資格証交付を市町村の義務としたことです。この結果、資格証世帯は、3.6倍と激増、こうした制裁強化にもかかわらず、保険料の滞納率はふえ続けています。
私ども日本共産党の事務所に相談に来られる方からは、借金の返済のため保険料が払えない、今は何とかやっているが、病気になれば怖い。体調がずっと悪いが保険証がなく病院に払うお金もないので病院へは行かないとの声をお聞きしております。
そこで伺います。第1に、保険料の滞納世帯数と加入世帯に対するその割合は幾らでしょうか。
第2に、納付促進の名目で発行されている短期証及び資格証の交付件数と、滞納世帯に占めるそれぞれの割合は幾らですか。
第3に、事実上の保険証の取り上げでもある資格証を発行される理由及び発行の判断基準は何ですか。
第4に、医療を受ける権利を奪うこの資格証の発行は、自治体としてやってはならないことであり、中止すべきと考えますが、いかがですか。
第5に、国保会計の基金残高と国の示す標準額は幾らですか。また、高過ぎる保険料は引き下げるべきだと考えますが、所見を伺います。
(市長)
ただいまの大国議員のご質問にお答えいたします。
保険料の、特に国民健康保険の問題についての質問でございます。保険料の滞納世帯数と加入世帯に対するその割合はいかがというご質問。本年5月末現在で、過年度分を含めて1回でも保険料の滞納がある世帯数は、延べ3,514世帯であります。この滞納世帯数は、同時点の国保加入世帯数2万5,894世帯のうちの13.57%となっております。
次に、納付促進の名目で発行しておる短期証、資格証の交付件数と滞納世帯に占めるそれぞれの割合でございます。短期証の交付件数と滞納世帯に占める割合は、平成17年(2005)1月末、合併前でございますけど、これが523件、19.24%。18年(2006)5月末現在で577件、17.99%。平成19年(2007)5月末で783件、22.28%ということでございます。
次に、資格証の交付件数と滞納世帯に占める割合でございますが、平成17年(2005)1月末が484件、17.80%。18年(2006)5月末508件、15.84%。19年(2007)5月末437件、12.44%となっております。
次に、資格証の発行理由及び発行の判断基準についてでございます。国民健康保険法では、災害や失業等の止むを得ない事情もなく、1年間保険料を納付されない場合には、被保険者証の返還を求め、被保険者資格証明書を交付することが義務付けられておりますが、本市ではこの法規定をもって機械的に資格証明書を交付する取り扱いは行っておりません。本市の場合、あくまでも納付意欲を損なわないよう、短期被保険者証を有効に活用して、納付促進につなげる考え方でございまして、短期証の更新の際に相談を呼びかけても反応がなく、納付もいただけない場合に、資格証明書を止むなく交付することを基本としております。
なお、納付の実態は多様化しておりまして、一律の判断基準では対応できないことから、事情を勘案してきめ細やかに対応してるということでございます。
医療を受ける権利を奪う資格証の発行を中止すべきとの考え方についてでございます。すべての加入者が個々の負担能力に応じて負担しあう相互扶助、公平な負担を基本とする国民健康保険制度の主旨や、苦労して保険料を納付されている被保険者との公平性を確保する上でも、特段の理由もなく面談にも応じていただけず、納付もいただけない場合には、資格証明書の交付は止むを得ない措置と考えております。
次に、国保会計の基金残高と国が示す標準額についてであります。本年5月31日時点での財政調整基金の保有額は、6億614万9,210円であります。基金の積み立てについては、国の予算編成通知で基準が示されております。その基準は、平成12年度以前の通知では、過去3年間における保険給付費、これは老健拠出金、介護納付金を含むわけでございますが、この保険給付費の平均年額の5%以上に相当する額とされておりました。平成13年度(2001)以降は、保険者の規模等に応じて安定的にかつ充分な基金を積み立てることとされ、具体的な数字は示されておりません。
しかしながら、平成12年度(2000)に国の通知で示されていた5%以上という規模を参考に、適切な額を積み立てるよう県からの要請があっており、本市の場合、この基準による基金の適正額は、おおむね4億という水準でございます。でございまして、現在は6億614万9,210円でございますんで、基準を上回っておるという、適正額を上回っているという状態でございます。
次に、高過ぎる保険料は引き下げよとの提案についてでございます。国民健康保険の運営は、その財源を被保険者の保険料と国と県の負担金で賄うこととされております。
本市では、一般会計からの繰り入れを、法定ルール分にとめながら運営努力に努めておりまして、その姿勢は厚生労働省からも評価されておりまして、平成18年度(2006)においては、国から1億3,600万円の特別調整交付金の交付を受けております。
こうした状況にあって、本市では合併に伴って、平成17年度(2005)から全市で保険料の計算方式を統一することから、低所得者に配慮して、基金を充当して負担抑制を図ってきたところであります。本年度においても引き続き基金を使って保険料を抑制する考え方でございますけれど、今後については、基金の保有額や決算の状況を見ながら、なお検討すべき課題というような状況に至っております。
国民健康保険は、本来、高齢者や相対的に所得の低い方が多いという構造的な問題を抱えておりまして、高齢化の進行、社会経済情勢の厳しい曲面に伴いまして、その財政運営は、限界に達しつつあると、私は見ております。
国に対しては、これまでも全国市長会を等を通じて、国民健康保険の財政基盤を充実強化し、保険料の低減を図るため充分な財政措置を講ずるよう要望してきたところでございますが、今後とも、この働きかけを更に強化しなきゃならないという考え方でございます。
なお、以上、申し上げましたことについて、もう少し申し上げるならば、やはりどうしても保険料納付が難しいという方々については、よくよくご事情を説明していただきたいと、我々の打診を受けて、積極的に出ていただいて、担当部課ともよくお話し合いをしていただきたいと、状況に応じて弾力的に配慮しなきゃならないという面もございますんで、遠慮なくそういう面については、よろしくまたお願いしたいと思います。
面談にも応じず、払いもしない、理由もない、こういう状況は一番悪いわけでございまして、その点、この壇上からではございますけれど、関係市民の皆様に強くアピールするものでございます。
以上、この問題についての私の答弁とさせていただきます。
(再質問)
3点ほど再質問させていただきたいんですが、先ほど、市長答弁にありました、機械的に資格証を交付するという取り扱いは、出雲市は行っていないという一方で、資格証の発行に際して滞納がある方には、呼びかけに応じても出てこられないという方に対しては、もうこれは、この時点で資格証を発行ということになっておられるのでしょうか、そこをはっきりしていただきたいんですが、やっぱり、それぞれの家庭の状況を把握した上で、把握した上で私、対応を考える必要があると思います。そうでなければ資格証の発行はしない方がいいと思いますし、実態もつかんでいないのに、命綱でもある保険証の取り上げをやるということは、私、やってはならないことだと思っております。何をもって、どういう状況をつかんで資格証を発行しておられるか、そこを1点目伺います。
2点目に、島根県県議会の昨年の11月決算特別委員会で、日本共産党尾村県議が質問して、この県の答弁の中で保険料の滞納者に対する相談体制について次のような答弁がありました。「一部で対応が充分でない点も見受けられたことから、被保険者資格証明書の発行などに当たっては、特別な事情の有無について充分把握することが必要であると考え、市町村に対しまして滞納者に対する相談体制を強化するよう、文書等により指導、助言を行っている」というふうに県の方は回答されております。これに対して出雲市はどういうふうに対応されたのか伺います。
次3点目、同じくこれも県議会の特別委員会ですが、高額療養費の還付金を未納の保険料に充当しているという実態が出雲市でもあります。出雲市では5件で28万4,105円の高額療養費に対し、27万4,905円を出雲市は充当している。これに対して島根県の方が該当者と充分話し合い、生活状況を把握した上で対応するよう助言というふうに言っておられます。これも同様に、出雲市としてどういうふうに対応されたのか伺いたいと思います。
(市長)
まず、第1点の問題ですけれど、呼びかけはします、呼びかけに反応がない。納付もない。やはりそういう場合に、財務調査もして充分家計の状況も把握しなきゃいけませんけど、大体の状況を把握しながらやっております。だから私、さっき申し上げましたように、やはり払うこともできないと、どんどん申し出ていただきたいと、家計の状況もよく調べさせていただいてということで、適切に、懇切に対応していきたいと考えております。
島根県の方は、いろいろ言っておられますけれど、私は、国、県の役割分担と言いますけれど、県も財源をもって応援せ。と言いたいですよ。国の伝達機関じゃないんですから、そのことを、そのような答弁に対しては強く申し上げたいと思いますわ。以上ですわ、これは。
(再々質問)
私も市長と同様に島根県は、県としてもっと市町村に財政的な応援をすべきだと、その考えは私も同じであります。しかし、国保行政は自治事務ということでありまして、個別の対応は、やはり自治体の裁量にゆだねられているというのが現状で、先ほども言われました基金の取り崩し、あるいは一般財源からの繰り入れなどで保険証の引け下げの努力も、更に一層出雲市でもやっていただきたいと、そして先ほど、市長言われました資格証の発行ですが、やはり実態がわからないのに資格証を発行してしまうということは、私、これはちょっとどうかなと思います。最初の質問でも言いましたが、資格証、保険証を持っておられない方が相談に来られる中で、やっぱり借金の返済に負われておって、そこまで回してしまうと生活がなかなかしていけないという方がおられます。じゃ、保険証どうするのというふうに私も、聞くんですが、なかなか怖くて行けないと、電話がかかってきてもサラ金の取り立てかと思って出られないというふうなことを言われます。それでですね、やっぱり実態の状況をしっかり把握した上で、そういうふうな対応をしていただきたいと思います。
(市長)
であるがゆえに、家計状況もよく把握したい、やはりお会いして情報をいただかないことには分からないわけですよ。積極的に応じていただきたいと、この際、申し上げますけど、それほど厳しい経済状況が続いている中でも、まじめにきちっと保険料だけは払っておかんと、いざのとき困るんだと言って負担されてる方多いわけなんですよ。その方々との公平性の考え方といたしましても、みんなで支えなきゃいけない保険行政、私も、このたびイギリスの方へ出かけましたけど、世界に冠たるシステムと評価高いんです、日本の保険制度は。介護保険で。
アメリカ合衆国のようなところは、公的保険は弱いわけですから、みんな自分で年金をかけないかん、保険料出さないかんというような状態もありますけれど、そういう国に比べると随分立派な制度になっておりますから、この制度が円滑に、将来とも機能するようにお互いに支え合うと、本当に困っておるところは、我々も支えていきますんで、状況把握は充分できるようなお話し合い、これをぜひともお願いいたします。まじめに一生懸命やっておられる方もいらっしゃいますんで、よろしくお願いしたいと思います。
壇上からでございますがよろしく、またアピールしたいと思います。
(質問)
次の質問に移ります。質問の最後は、放課後児童クラブについてです。
政府は総合的な放課後児童対策を進めるとして、各市町村において教育委員会と福祉部局との連携のもとに、地域子ども教室と放課後児童クラブを一体的、あるいは連携して実施する放課後子どもプランを創設しました。
本市でも、出雲市放課後子どもプランが3月に策定され、4月より実施されています。
児童クラブ、すなわち学童保育は、親が働いていて家庭にいない小学生の子どもたちに、放課後及び土曜日や夏休みなどの学校休業日の一日を、安全で生き生きと過ごしてほしいという親たちの強い願いによって誕生した施設です。本市では29の児童クラブがあり、毎年のように施設が増加するなど、他の自治体に比べると進んだ面も多く見られます。保護者はもちろん子どもたちも喜んで利用している状況です。施設への入所希望者も増え、止むなく入所を断っている状況もあると伺いました。学童保育を必要とする家庭が増えている背景には、共働きや一人親家庭が増えていることと併せて、この間、子どもが放課後に被害に遭う痛ましい事件が相次いでおり、学童保育は安全対策の面からも強く求められているからであると考えます。それぞれのクラブでは、地域の指導員をはじめ、関係者の献身的な努力により運営が行われており、地域に根差したものとなっています。
そこで伺います。第1に、児童クラブへの入所希望者数と実際の受入数はそれぞれ幾らですか。
第2に、障害児の受け入れ状況について伺います。
第3に、児童クラブの指導員の賃金や手当、福利厚生などの労働環境はどのようになっていますか、現状をうかがいます。
第4に、受け入れ対象が、現在小学校3年生までとなっていますが、この対象の拡大を求めますが、いかがですか。
第5に、指導員の多くは非正規雇用で賃金も決していいとは言えません、待遇向上策を求めますがいかがですか。
最後に、行政が児童クラブに責任を持つ体制を整えるべきであり、そのためにも現場の声を充分に聞いた上で、出雲市としての運営基準や設置基準を作成してはいかがでしょうか、伺います。
(地域振興部長)
ただいまの質問にお答えいたします。
まず最初に、児童クラブへの希望者数と実際の受入数でございます。入会の決定につきましては、児童クラブの規模などを考慮して、各運営委員会などで判断をしているところでございます。
児童クラブの入会状況は、平成19年(2007)5月1日現在、希望者数861名に対しまして、入会者数845名でございまして、29クラブのうち6クラブにおいて、16名の児童が受け入れできない状況でございましたが、家庭や近隣に祖父母がいたり、ファミリーサポートセンターの紹介などで対応をしたところでございます。
次に、障害児の受け入れ状況ですが、現在、児童クラブ11カ所で15名の障害児を受け入れております。入会希望に対しては、各運営委員会などにおきまして、児童の診断書により状態を把握し、受け入れ態勢を整えるよう努力しておりまして、本市としましても、指導員の増員を行い対応しているところでございます。
運営委員会等で判断が困難なケースにつきましては、本市と運営委員会等でケース検討会を開催し、受け入れ態勢を整えているところでございます。
次に、指導員の労働環境、賃金、手当、福利厚生などでございますが、どのようになっているかということでございますが、指導員の賃金につきましては、各運営委員会等で決定しております。
児童クラブの児童数、または指導員数などの状況に応じまして様々でございますが、常勤の指導員の方で、おおむね時給単価が700円から1,200円、非常勤の指導員で時給単価が680円から860円となっております。指導員の手当、福利厚生につきましては、労働時間や扶養状況などによりまして、適宜、各運営委員会等で決定をしておられるところでございます。
次に、受け入れ態勢が小学校3年生までということでございまして、この拡大ということでございますが、児童クラブへの受け入れ対象児童につきましては、「児童福祉法」及び「放課後児童健全育成事業実施要綱」によりまして、原則小学1年生から3年生と規定されておるところでございます。
ただし、受け入れが可能な児童クラブにつきましては、できるだけ希望に沿うよう対処しているところでございます。
基本的に、4年生以上の児童につきましては、「出雲市放課後子どもプラン」に基づきまして、各地域で放課後子ども教室の開設を進める中で対処したいと考えております。
この子ども教室は、本年度から国の総合的な放課後対策としまして、子どもたち全員を対象といたしまして、地域の大人の方に安全管理やボランティアとして協力をいただきまして、安全・安心な居場所として開設するものでございます。
活動内容としましては、スポーツや文化活動、地域住民との交流などが想定されております。地域の参画によります様々な取り組みに期待をするものでございます。
次に、指導員の待遇向上策でございますが、指導員の給料などの処遇につきましては、各運営委員会に判断をゆだねているところでございます。
本市といたしましては、国の補助基準額を上回ります委託料を支出しておりまして、運営の充実が図れるよう努めていくところでございます。
児童クラブの運営につきましては、地域の理解と協力のもと、指導員の処遇にも配慮いただいているところであり、地域の皆さんには感謝するところでございます。
最後の、行政が責任を持てる体制を整えるべきで、運営基準、設置基準を策定してはどうかという質問でございますが、児童クラブの運営基準としての活動内容、活動計画につきましては、各運営委員会で保護者等のニーズや地域の特性を考慮しまして、的確に判断をして、クラブ運営を行っておられるところでございます。
本市では、定期的に計画等の報告を受けまして、国の「放課後児童健全育成事業実施要綱」により判断を行い、助言を行うこととしておるところでございます。
次に、児童クラブの設置基準としてでございますが、面積につきましては、国、県におきましては、空き教室などの利用を原則ということで考えておりますので、明確な基準が示されてはおりませんが、国の見解といたしましては、おおむね一人当
たり1.65平方メートル、1クラブ当たり70人までとなっております。本市では、これを目安として開設場所の確保をしておるところでございます。
児童クラブにつきましては、地域の実情によりまして、特徴ある運営を行っていらっしゃるところでございます。
こうしたことから、一つの基準で判断はしかねるわけでございまして、それぞれにおいて柔軟な対応をしていく考えでございます。
以上、答弁といたします。
(再質問)
児童クラブのことを事前に、私、いろいろ調べたんですが、2003年6月、ちょっと古いですが、全国学童保育連絡協議会というところが、私たちが求める学童保育の設置運営基準ということで、いろいろまとめておられまして、その中に学童保育は、仕事と子育ての両立のためには欠かせない施設ということで、子どもたちの生活の場ということをしっかり位置づけて、出雲市でも当然そうですが、国の今度の方向が、どういう方向にいくか、まだ不透明な部分もありますが、学童は生活の場だと、子どもの遊びの場だということは、しっかり忘れないでいただきたいと思います。
設置基準は考えないと言うことをいわれましたが、各クラブの様子を伺うと、極端に電気代がかかるとか、水道代が多いとか、結構まちまちだと思います。この実態を調べていただきたい。それで運営費の補助というのは、そういうことに関係なく子どもの数等で恐らくやられてると思うんですが、それではやはり、本当に子どもたちそれぞれ充分な保育が受けられる環境ができているかどうか、これはひとつ検証が必要だと思います。それぞれの決まった運営費の中で、各クラブの方で努力をされて、例えば、それが人件費にしわ寄せがいったりとか、おやつだったりとか、そういう実体が私はあると思いますんで、そういうのをぜひ、よく現場を回って調べた上で、現場の声も聞いた上で、やはり一つの最低基準と言いますか、こういうものがあってもいいじゃないかなと思っております。
冒頭申しました、学童保育連絡協議会というところは、学童保育の規模の上限は40人までという一つの数字を示しております。
本市においても40人を超えるクラブが9クラブあります。それと各それぞれで定員を決めておられるんですが、これの定員を超えているところもかなりあります。例えば、定員20人に対し29人、35に対して45、35に対して51、旧市内が中心ですが、やっぱり人口が増えているようなところ、子どもが多いようなところは、定員に対してかなり多い児童を受け入れているという実態もありますんで、やはり子育て支援というならば、こういったところをやっぱり丁寧に対応して、本当に子どもたち、働きやすい親の環境を整えるということも非常に重要だと思います。
1点ちょっと質問したいんですが、障害児の受け入れについて、障害児が一人でも、あるいは複数でも、施設に、運営委員会等に加算される額、金額は同じだということを聞いたんですが、これは何をもって同じにされているのか、その根拠を教えてください。
(地域振興部長)
障害児加算でございますが、これにつきましては、基準という、平成17年(2005)から国の方でも、障害児が一人でも加算が出るようになったところでございます。
それ以前は、一人の場合は加算がついておりませんでした。それで2人以上の場合に加算がついておったということでございますが、市としましては、以前より加算をつけていたという経緯もございます。
ただ、この加算につきましても、何人までなのか、そして障害児の程度と言いますか、手間のかかりようということにつきまして、それぞれ違いがあると思いますので、運営委員会との協議を持ちまして、考えるべきことだというふうに考えております。
基準としましては、一概にいえない部分がございます。国としては、一人以上おれば加算をつけるということになりましたので、市としてはそれ以前から加算をつけておったということをご報告して、ご理解をいただきたいというふうに思います。
(再々質問)
出雲は以前からやっておったということは分かるんですが、実際、現状がどうかというと、障害児を一人受け入れると68万9,000円の加算がある、2人の場合も同じだということだと思うんですよ。昨日も萬代弘美議員の質問でも、障害児の学童というのは非常に今、不足して求められているという状況が広がっております。この1施設当たりの加算ではなくて、それぞれの状況に応じてはもちろんですが、これにこだわることなく出雲市としても、更に上乗せ、障害児の受け入れ態勢を各運営委員会を応援する立場で、ぜひ進めていただきたいと思いますが、その辺いかがですか。
(地域振興部長)
障害児の児童クラブへの参加でございますが、体制を整えることは大切だというふうに考えております。受け入れをしていくにつきましても、人員等、そしてまた施設等の問題もあるわけでございまして、その辺の判断につきましては、運営委員会、受け入れ側の運営委員会とも充分に協議をしながら進めなければならないものだというふうに考えております。
以上です。
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