1番、日本共産党の大国陽介でございます。
議案2件について、委員長報告に対して討論を行います。
まず、議第24号、平成19年度(2007)出雲市一般会計第3回補正予算についてであります。
第1に、新庁舎整備事業についてです。平成19年度(2007)から21年度(2009)の3年間の事業費69億8,000万円を予算化するものであり、このうちの平成19年度(2007)分7億7,400万円が継続費として含まれています。
新庁舎の建設にあたっては、これまでも述べてきたとおり、現在の本庁舎の老朽化が進んでいることや、分庁舎の賃貸料、利便性などの問題を考慮したとき、建て替えを計画すること自体に異を唱えるものではありません。庁舎の建て替えは今後のまちづくりを考える上でも重要な事業であり、既存施設や支所の活用も視野にいれ、住民参加のもとでの充分な協議と意見集約、維持管理費などの必要経費の徹底した検討が必要であります。
なお、現時点において維持管理費について具体的な数値はいまだ示されず、維持管理費を現庁舎と新庁舎とで比較することもできません。
新庁舎の建設計画は、平成20年(2008)12月を完成目標とされており、これはあまりにも拙速な計画であります。
第2に、市営住宅の駐車場整備についてであります。今回の補正予算案には平成20年度(2008)から駐車場を有料化することを前提にした、駐車場整備のための予算が計上され、その理由として駐車場の整備と適正な管理運営、受益者への公平な負担を求めることなどが挙げられています。
しかし、この間進められた構造改革による格差の拡大と貧困の増大、相次ぐ増税や各種料金の値上げなどで、市民生活は困窮の度を増しています。これに追い打ちをかける更なる負担増は、到底容認できず、市民福祉を充実すべき自治体としての役割が忘れられているとしか言いようがありません。
市営住宅にお住まいの方からは、「負担が増えるばかりで毎日大変なのに、これ以上、負担を増やさないでほしい。」「明日の暮らしがどうなるか不安なのに、行政のやり方はひどい。」などの声が寄せられています。
駐車場の有料化に住民の理解は得られていません。行財政改革のあるべき道は、市民の暮らしに心を寄せ、住民の理解と納得の上に進められるべきであり、有料化を前提としたこの事業は認められません。
委員長報告は、原案可決でありますが、これらの理由により本補正予算案には賛同できません。
次に、議第28号、平成19年度(2007)出雲市病院事業会計第1回補正予算についてであります。
今回の補正予算は、市立総合医療センターの改築のための予算が計上されており、医療サービスや利便性の向上の観点から必要なことであり、本議案については、賛成いたします。
しかしながら、総合医療センターの今後の方針の中で、運営形態について現在の地方公営企業法一部適用から地方独立行政法人への移行が望ましいとされています。地方独立行政法人になると、住民や議会とのかかわりも薄くなり、5名程度の理事会と7名程度の評価委員会に、その運営や評価がゆだねられ、住民への医療サービス第一の運営であったものが、経営本位の運営へと転換します。
現時点では、住民参加型の公聴期間を設けるとされているものの、地方独立行政法人法の中に、地域住民の意見の反映を保障する規定はなく、この機関が充分な役割を発揮し、どの程度運営に反映できるかは不透明であります。
自治体病院として本来果たすべき役割である住民への必要な医療サービスの提供が、おろそかになる恐れがあり、地域医療の充実を考えるとき、地方独立行政法人という運営形態はとても容認できるものではありません。
市立総合医療センターの運営は、効率や経営を最優先にするのではなく、地域医療の確保、住民サービスの向上を最優先にして、職員や利用者の知恵を集めて、その改革を進めるべきであると考えます。
以上で討論を終わります。
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