12日から14日にかけて文教厚生委員会で視察に出かけてきました。
長野県下條村(しもじょうむら)は、長野県の南部に位置し、人口約4200人、面積37,7平方キロメートルの小さな自治体です。
注目すべきは「日本一の子育て支援村」とも呼ばれる村の施策です。中学校卒業まで医療費無料(所得制限なし)、マンション並みの若者向け低家賃住宅(家賃3万6千円)など、徹底した支援が実を結び、全国的に出生率が低迷する中、1.80(93〜97年)から、1.97(98〜02年)へと伸び、人口も年々増加しています。
これらの財源は、住民自身の手による公共事業、村役場の職員削減、昼休みの消灯などコスト削減によって捻出されています。村は豊かな自然に恵まれ、さらに図書館や文化ホールなど公共施設も充実し、まさに「住みたくなるまち」でした。定住対策や子育て支援など、出雲市にとっても学ぶべき点が多いと感じました。今後の議会活動に大いにいかしていきたいです。
(写真上・村役場にて、写真下・役場からの景色)
続いて訪れたのは、今年4月、文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」(いわゆる全国学力テスト)に参加しないと判断した、愛知県の犬山市。「犬山の子は犬山で育てる」という考えのもと、人格の形成と学力の保障を目指して、少人数学級・少人数授業、副教本の作成・活用など、独自の教育改革がすすめられています。
国が積極的に推し進めようとしている「全国学力テスト」や「学校選択制」などの教育施策は、競争原理の導入によって活性化を図ろうとするものですが、教育に競争を持ち込むことは、豊かな人間関係を育む土壌をなくし、子ども同士や学校間、地域間に格差を生み、拡大させます。
犬山市教育委員会の「実施しない」としたこの判断とその背景にある理念こそ、本当の教育であると思います。競争と評価では、真の教育はできないということが明確になりました。出雲市での全国学力テストの実施はやめるよう求めていきたいです。
(写真・犬山市役所)
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