7月1日から3日にかけて、4月より「独立行政法人」となった沖縄県の那覇市立病院、同じく八重瀬町、福岡県中間市に出かけました。
那覇市立病院は、今年四月から「独立行政法人」に運営形態を変更済みで、平田にある総合医療センターがこの「独立行政法人」が計画されていることから、今回の視察が決まりました。
那覇市は、独立行政法人に運営形態を変更した理由について、「国の急激な医療制度改革に対し、柔軟で効率的な運営を可能にする運営形態は、(職員を)条例定数に縛られない『非公務員型の地方独立行政法人』が最適である」としています。
いろいろお話を伺いましたが、強調されたのは、人件費の削減と、議会で予算や決算の議決をおこなう必要がなくなり「柔軟」な運営が可能となるということでした。
出雲市の総合医療センターでも「独立行政法人化」が計画されていますが、経営本位の運営となると、住民への医療サービスの低下が心配されます。今後も慎重な検討が必要と感じました。
(沖縄県八重瀬町・食育)
八重瀬町では、学校での「食育」の取り組みについてお話を伺いました。八重瀬町はピーマンの産地で、ピーマンの歌の制作やピーマンクイズ、ピーマンの劇など、創意工夫にあふれる活動がおこなわれていました。他にも各学年ごとにピーマン、紅いも、オクラ、ヘチマ、ゴーヤー、ナスなどの野菜を「教材園」で子どもたちが栽培し収穫。これを調理して食べるということもおこなわれていました。
実際に子どもたちに中で「苦手を克服する態度か見られた」り、「作物を作る苦労や感謝の気持ちを持つことができた」りするなどの成果も見られたとのことです。
(福岡県仲間市・うつ病対策「心の健康づくり事業」)
最後に訪れた中間市では、うつ対策「こころの健康づくり事業」についてお話を伺いました。中間市では精神障害者地域生活支援センター「パルハウスぼちぼち」が2003年に社会復帰施設として開設。近くの産業医科大の支援も受けています。
2005年10月に厚生労働省が産業医科大学精神医学教室に「関連うつ対策戦略研究」事業として5カ年計画で委託し、住民の自殺予防と障害者に対する市民への啓発と理解を深めることを目的として事業がスタートしました。
啓発や相談窓口を紹介するリーフレットの配布、毎月1回の学習会や年次行事として講演会、研修会などが開催されているほか、相談窓口が設けられていました。電話での相談数は年間4799件(2007年)で仲間市外からの相談も多くあるとのことで、大きな役割を果たされていると感じました。
民生委員や行政職員、学校教職員、住民などを対象にした研修会が多く開催され成果が上がっているように感じましたが、「まだまだ啓発、理解を得る必要がある」と力説され、事業所や家族の理解を進めることや、自殺率の高い50代の研修参加率の向上などが課題としてあげられていました。
職員のみなさんの熱心さに頭の下がる思いでした。大変な努力と工夫がなされているようで、なくてはならない事業であると感じました。
(写真上・那覇市立病院、写真下・仲間市「パルハウスぼちぼち」)
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