観光産業振興特別委員会の視察で、11月4日から6日にかけて、高岡市(富山県)、白川村、高山市、大垣市(岐阜県)を訪問し、各地の観光施策等について調査しました。
最初に視察した高岡市は、富山県の北西部に位置し、面積209平方キロメートル、人口18万人のまちです。観光資源としては、国宝に指定されている「瑞龍寺」が有名です。
前田利長ゆかりの地を全面に出した観光振興策が取り組まれていました。中でも、公募委員を含み20名で構成される「たかおか観光戦略ネットワーク」では、地元の関係者を交えた議論が行われているようで、看板の整備やレンタサイクル、マップ作成、観光客データの収集など、ネットワークでの提案や意見が具体化・実行されていたのが印象的でした。
世界遺産「白川郷合掌造り集落」があまりにも有名な白川村は、岐阜県の西北部に位置し、面積356平方キロメートル、人口1783人の村です。
ミシュランガイドに掲載されたこともあり、外国からの観光客も多く、平日にも関わらず多くの観光客でにぎわっていました。合掌造り集落には歴史的な建物を利用した民宿が営まれているほかは、ホテル等の大規模宿泊施設はありません。
古くからの財産を生かした観光の成功例と言えるものですが、地域住民の苦労と努力は計り知れません。「今あるものを生かす」ことの大切さを実感しました。
高山市は、面積なんと2177平方キロメートル(大阪府や香川県より広く東京都とほぼ同じ面積)、人口9万7500人のまちです。
「飛騨高山」ブランドで、全国的にあまりにも有名な地域。古い町並みがきれいに保存・整備され、外国人観光客も東京、京都の次くらいに訪れるという日本を代表する観光地です。
いわゆる伝建地区(伝統的建造物群保存地区)が市の中心部にあり、ぶらぶらと歩くだけでも楽しい雰囲気で、商店街もシャッター通りではなく、他の地域と比較しても活気があるように見えました。ハガキによるアンケート調査などにより、観光統計が行われ、本格的な観光振興策が行われているという印象でした。
最後に訪れた大垣市は、面積206平方キロメートル、人口16万5000人のまち、日本列島のほぼ中央に位置しています。
松尾芭蕉が「奥の細道」を大垣で結んだことから「奥の細道紀行320年記念事業」や「芭蕉元禄事業」など、芭蕉にちなんだ事業が取り組まれ、まち中には投句箱も設けられていました。芭蕉にちなんだ町づくりに力点が置かれている印象を受けました。
今あるもの、その地域に根ざしているもの、大切にされている文化など、観光振興の成功には長期的な展望と住民参加が欠かせないものとの認識を新たにする視察となりました。
(写真上から、高岡市、白川村、高山市、大垣市)
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