今年度、第2回目の国民健康保険運営協議会が開催され、出席しました。議題は「平成18年度国民健康保険事業特別会計決算について」「保険料賦課方式の見直しについて」などでした。
また、今年度から国のモデル事業として「多重債務相談事業」に出雲市が取り組み、多重債務に陥っている国保料滞納者について、サラ金などの違法金利の払い過ぎ部分(いわゆるグレーゾーン金利部分)を取り戻し、滞納の支払に充てていることが報告されました。
島根県では出雲市の他に松江市、大田市で同様の事業が行われているとのことでした。出雲市での今年度の実績は、相談件数は15件で、うち6件で過払い分を取り戻し滞納分に充当。3件が検討中とのことでした。
驚くべきことは、この15件のうち2件が、医療費を窓口で10割支払わなければならない、事実上の保険証取り上げでもある「資格証」世帯であったということです。サラ金などの多重債務で苦しむ市民から命綱でもある保険証を取り上げていたことになります。
市民の健康を守るべき自治体がやるべきことではありません。市当局は「申し出がなかったため資格証を発行した」などとしていますが、滞納世帯の実態を把握できないまま、このような制裁措置をしていることは、あってはならないことです。出雲市では資格証世帯が、9月末現在で393世帯です。このうち何世帯が本当に「悪質」なのかは全く不明です。
市民の命綱を断ち切る資格証の発行は、直ちに中止すべきです。同時に滞納者には生活相談を実施し、高すぎる保険料は値下げすべきです。「住民福祉の向上」を目的とした地方自治体の本来の役割を忘れてはなりません。
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