1番、日本共産党の大国陽介でございます。
質問の第1は、アスベスト対策についてであります。
6月末から7月にかけてクボタやニチヤスなど、アスベスト製品を製造していたメーカーから、製造工場労働者及び工場周辺住民に肺がんや中皮腫による死亡事例など、健康被害が相次いで発表されました。工場から飛散したアスベストの吸引が原因と考えられており、労働者やその家族、住民の不安が大きく高まっています。アスベストの被害実態は日々新しい状況が報じられていますが、非常に広範囲なものであることが明らかになっています。吹きつけアスベストのあるところで働いていた人に被害が出ていることや、研究所の所員、営業マンにも被害が出ている状況です。その上、アスベストの付着した衣服に接した労働者の家族、石綿製品を製造していた工場の周辺住民への被害も明らかになっています。人口動態調査によると中皮腫による死者は、政府が統計を取り始めた1995年以降の9年間で6,000人を超え、近年増加傾向にあります。財務省や経済産業省などの資料によると、1930年から2003年までに輸入されたアスベストは約987万トン、国内鉱山からの生産は約37万トンで、計1,024万トンのアスベストが使われたと考えられます。そして、その約9割が天井、壁材、スレートがわらなどの建築材に使われており、そのほかは工業用から電気製品、日用品まで、約3,000種の製品に使われているとのことです。アスベスト製品の製造工場がなかった本市では、今後、建物の解体などで建設労働者、周辺住民への影響が心配をされます。アスベストが使われているものを含め、古い建物の解体は2020年から2040年までがピークとなると予測されます。これまでも吹きつけアスベストの撤去工事などの際に、十分な保護策が取られていなかった事例や、阪神淡路大震災のときにも問題になったように、アスベスト使用実態の把握や対策がないまま、撤去工事が行われた事例も明らかになっています。
そこで伺います。
1点目に、本市においてアスベストの使用が疑われる公共施設についてであります。
8月18日から29日にかけて行われた調査の結果、49施設にアスベストが含まれている疑いのある、吹きつけ材の使用が確認をされました。そのうち7施設26箇所で安全が確認されるまで立入禁止の措置が取られ、26箇所のうち17箇所で仕上げ材を張るなど、暫定工事を実施されることとなっています。分析結果は10月中旬になるようですが、暫定工事をされる箇所を含め今後の対応はどのようにされるのでしょうか。分析結果の結果が判明し次第、順次早急に除去すべきと考えますが、いかがですか伺います。
2点目に、特養ホームや保育園など公共性の高い民間施設についてであります。
古い施設ではアスベスト使用の可能性があります。アスベストの除去工事を行う際には多額の費用がかかり、施設の運営に影響をもたらしかねません。調査費用も含め、アスベストの除去工事に行政が助成することを求めますが、いかがですか伺います。
3点目に、建築物の解体工事などで、アスベストに関する報告の義務化についてであります。
現在、国の法令では延べ床面積500平方メートル以上で、アスベストを使用している建物及びアスベストの使用面積が、15平方メートル以上の建築物の解体については届出が必要となっていますが、国の基準以上での届出の義務化を求めますが、いかがですか伺います。
建築物の解体作業に万全を期すことはもちろんですが、正確な情報を伝えることは大きな安心になるとの観点から、工事現場でのアスベストの有無の表示や近隣への事前説明などを義務づけるよう、措置を講じる必要があると考えます。いかがでしょうか。
4点目に、市内中小企業の店舗や事務所などの建築物のアスベスト調査、除去工事への融資斡旋及び利子補給などの支援を求めます。
8月29日に開かれた島根県アスベスト対策本部会議では、県商工労働部が制度創設に向け準備をされているようですが、市として県とも連携し、よりよい制度の実現を求めますがいかがですか。
5点目に、市内在住の住民の所有する住宅での、アスベスト調査及び除去工事を行う場合に、その経費に対しての助成を求めますがいかがですか。
最後に、アスベストによる健康相談が市に対してこれまで何件寄せられていますか。また、その対応はどのようにされていますか伺います。
質問の第2は、ごみの収集についてであります。
本市の海岸部には住宅が密集し道路が狭い地域が多く、このことが原因で多くの弊害が発生しています。そのうちの1つに収集ごみの運搬があります。海岸に近い外園地区は道路が狭く、ゴミ収集車が家の近くまで進入することができないために、集積場が結果的に遠くなってしまい、週2回以上あるごみ出しが大変な作業となっています。中には足の悪いお年寄りさんが隣近所にごみを出してもらっているなど、助け合いながら何とかやっている姿も見受けられます。しかしながら、ごみを出しに行くのが大変で家にごみがたまってしまう。とにかくごみを出すのが大変と、過疎と高齢化が進む中で事態は深刻です。
道路整備の計画も進みつつありますが、1日も早い対策が求められます。現在のゴミ収集車が入ることはできなくても、軽トラックなら通行可能な道路もあります。抜本的な対策を求めますがいかがでしょうか伺います。
以上で、質問を終わります。
(市長)
ただいまの大国議員のご質問にお答えいたします。
アスベスト対策のことについては、後ほど部長答弁を予定しておりますが、やはり、このアスベスト問題に限らず、先般起こりました非加熱血液の輸血問題等ですね、やはり行政が先手先手オープンに、そして多少予防的に行動に移すという努力、これが足らないと思っております。これもひとつの事例ではなかろうかと思っておりまして、国会の答弁でも副大臣と担当局の見解は違うとかですね、ちょっと醜態をさらしておりますが、やはり小泉改革こういうことも、これからもっともっと前向きになってくることを期待したいと思っているところでございます。
市と県の努力を国の基準によって、これをやるわけでございますが、精一杯皆さん方の不安感がないように努力をしてまいりたいということでございます。公共の施設はもとよりでございますが、民間の住宅についても精一杯協力をしていくという方向で努力させていただきたいと思います。
ごみ出しの問題では、外園地区という議員さんの身近な場所でのお話がございました。この外園地区だけではなくて新出雲市全体を見ますと、特に海岸部、この大社、平田地区を含めてですね、大変この道が狭くて難渋されているところは大変多いわけでございます。このことも本当に具体的にいろんな事例に直面し、またお話を聞く機会が出てきたわけでございまして、私も心を痛めているところでございます。やはり道路の整備が、特に自動車交通時代の中において環境問題含めて、やはり優先的にこれから考えていかなきゃならないと思っているところでございます。一度に手品のごとくばぁっと全部は解消できませんけれど、やはり計画的にそしてその計画の実施の速度を速めながら、頑張っていくということで対応したいと思っているところでございます。
具体のご質問の中で、高齢者身障者の皆様についての、苦労話もいただきました。ひとつにはホームヘルパーさんの立場で、家事援助サービスいうのがございましてね、こういうものもご利用いただくということ。あと助け合いボランティア制度もございまして、社会福祉協議会でもやっておられますので、こういう制度のご利用、地域での助け合い等々によって身近なところにおける皆さん方のご努力を促すべく、我々としてはメニューを強化していきたいとこういうことでございます。その間、ご面倒かけて申しわけございませんけれど、さらに努力させていただきたいと思います。
以上で、私の答弁とさせていただきます。
(環境事業部長)
それでは、アスベスト対策についてのご質問をいただきました。
公共施設についての対策でございますが、まず分析の結果、アスベストを含む吹きつけ材の使用が確認された公共施設につきましては、昨日、原隆利議員のご質問にお答えいたしましたとおり、除去工事を原則として、やむを得ない箇所については封じ込めなどの対策を早急に実施いたします。
次に、特養ホーム、保育園などのアスベスト調査と除去工事を支援をというご質問でございますが、特養ホームや保育園など社会福祉施設につきましては、官民を問わず国、県から直接調査依頼があっております。全国市長会を通して、そして社会福祉施設におけるアスベストの使用実態を把握するための調査の推進と、除去等の改善に対して十分な支援措置を講じるように、8月30日に緊急要望をしたところでございます。
次に、解体工事などでのアスベストに関する報告の義務化につきましては、吹きつけアスベストが使用されている建物を解体する場合、大気汚染防止法や建設リサイクル法などで届出義務がありますが、面積要件や対象建物に限定があります。すべての建物を対象としているというわけではございません。このため面積要件の撤廃などを国に求めていきたいと考えております。
また、アスベストの有無の標識や工事現場付近への、事前説明についてのご質問でございますが、本年8月2日付で厚生労働省労働基準局から全国建設業協会など関係団体につきまして、建築物などの解体などの作業に関するお知らせということで、作業を行うに当たってはアスベストの暴露防止対策などの実施内容を、関係労働者のみならず周辺住民に周知するため、作業現場の見やすいところに、看板で掲示するように通達が出されております。なお、アスベストを使用しない建築物の解体作業についても、使用されていないことを同様に掲示することとされております。工事現場近隣の住民の皆様方の不安が、少しでもこれで解消をされるのではないかと考えております。
次に、中小企業の支援についてでございますが、企業が事業用として使用している建築物のアスベストの除去等を行う場合に、使用状況の調査、適切な処理を行うための費用について必要な資金を融資する制度が、県が創設し今月中に受付を開始する見込みでございます。本市としてはアスベスト被害の防止を図るため県と連携を取りながら、できるだけ迅速に対応することとしております。また、市民の皆様方が所有する住宅におけるアスベスト調査及び除去工事に対しては、全国市長会を通じて国に支援措置を講じるように求めていく考えでございます。
また、健康相談の対応についてでございますが、市では健康増進課、福祉推進課が、出雲保健所や県の健康福祉部と連携を取りながら取り組んでおります。県全体では相談件数は約130件、市は1件の相談があっております。この相談1件でございますが、8月下旬に市外から転入された方のようでございますが、電話で相談がございました。相談の内容が非常に抽象的でございましたので、かかりつけのお医者さんとか保健所とか、そういうところで具体的な相談をしてくださいというご案内をしております。
以上、答弁とします。
(再質問)
外園のごみ問題についてですが、私もあの地域を回ったときに、とにかく皆さんに言われたのが、道が狭いということで車が入れないから、ごみを出しに行くのが物すごい距離があって、私も実際歩いたんですが、かなりの距離があります。私も息が切れてしまうぐらいで、もう歩いて回るとごみのことばっかり言われるんですよ。ごみ出しには大変だと。外園のいわゆる外園保育園の前の道はありますが、あそこまでしか収集車は入れない状態で、その中にも軽トラックなら入れる道が1本あるんです。とにかく、その住民の人はせめてここでも入ってくれれば、大分ごみ出しが楽になっていいのになというような声たくさん聞きまして、大社町の方では実際軽トラで収集されているようなところもあるというようなことを伺ったこともありますので、ぜひ何とか改善していただけるようにお願いをしたいと思います。
それと、もう一点ですが、アスベストの問題で、国の基準は延べ床面積500平米以上というのが基準ですが、国に撤廃するように求めるというのは大変いいことですが、仮に国が撤廃しないよとなった場合は大変なことになりますので、できれば国がやらない場合でも市なり県なり協力し合って、独自の基準を設けて、何とか工事現場の周辺の住民の皆さんに安心できる体制をつくるということを、ここでお約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上です。
(市長)
まず、ご指摘いただいたわけでございますが、軽自動車による搬出、これは現段階では車両の特定、どういう車両を使うかとか、いろいろ技術的に検討しなきゃいかん点もございますけれど、早速検討してみたいと思います。小さいところ、外園だけじゃないと思います。この佐田から平田、大社、湖陵、ずっと回ってみますと大変なところがございますので、ニーズをよく把握しながら検討をまずさせていただきたいと思います。
国の方針について、この実現が難しければ市でも独自にということでございますが、具体の状況、国の反応を見ながら検討していきたいと思います。
約束ということではございません。お願いいたします。
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