1番、日本共産党の大国陽介でございます。
承認案2件、議案3件、請願1件について、委員長報告に対する討論を行います。
はじめに、「承第3号、出雲市税条例の一部を改正する条例」、「承第4号、出雲市都市計画税条例の一部を改正する条例」の専決処分の承認についてであります。
これら2件の承認案件は、地方税法の改正に伴うものであります。今度の税制改正により、個人住民税所得割額の7.5%の減税が今年度で廃止され、07年6月徴収分より増税となります。
与党税制大綱では、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的、弾力的に対応するとのなお書きがついていますが、サラリーマン増税をしないとした与党自らの公約に反するものです。また、固定資産税については、1994年の評価替えで、大幅な負担増となる土地の7割評価が実施されましたが、その経過措置として徐々に課税標準額を上昇させ、評価額と課税標準額との格差を埋めていく、負担調整措置がとられていますが、今回の地方税法改訂に伴い、この措置が簡素化されるとともに一層の負担増が行われます。
相次ぐ負担増で、市民生活は大変な状況であり、よってこれら専決処分の承認には賛成できません。
次に、「議第2号、平成18年度(2006)出雲市簡易水道事業特別会計第1回正予算」についてであります、本補正予算は、平成23年度(2011)から予定されている斐伊川水道事業の尾原ダム受水などについての計画を策定するためのものであります。
斐伊川水道事業は、島根県の過大な需要予測に基づく計画であり、本市においては旧平田市が1990年に計画した3,600トンの受水計画があります。人口の増加や企業誘致を想定されての計画であったものが、現在は、安定的な水源確保などが目的とされ、当時の計画からは大きく変更されています。
ところが、計画は変わったものの、受水計画量に変更はなく3,600トンのままであります。これは先に受水量ありきの計画と言わざるを得ません。
よって本補正予算は容認できません。
次に、「議第12号、出雲市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例」についてであります。
本議案は、非常勤消防団員、すなわち各地域で活動する消防団員の皆さんに、公務中に死亡、あるいは負傷など、万一のことが起きた際の損害補償の額をわずかではありますが、引き下げるものであります。
消防団員の消防防災活動は、事故や災害、火災などから市民の財産と命を守る重要な任務であり、大きな役割を果たしておられ、それぞれの消防団員の方の善意と自己犠牲の上に成り立っています。この補償額は、引き下げではなく、むしろ引き上げるべきだと考えます。
よって本議案には賛同できません。
次に、「議第16号、公の施設の指定管理者の指定について」であります。
公の施設は、地方自治法で規定されているように、住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設であります。この議案は、営利を目的とする団体を指定管理者に指定するものであります。
公の施設を公共性を持たず、営利を目的とする民間会社に任せ、果たして自治体の責任が果たされるでしょうか。利潤追求が優先され、公平・公正な運営など公共性が担保されるかどうか疑問が残ります。
よって本議案には、賛成できません。
最後に、「請願第1号、「品目横断的経営安定対策」に関わる請願」についてであります。
請願でも述べられているように、政府が昨年10月に打ち出した品目横断的経営安定対策等大綱は、これまでの全農家を対象にした小麦、大豆などの品目ごとに実施してきた価格対策を廃止、2007年からは、経営規模の大きな認定農業者や集落営農を対象に、米、麦、大豆などに限って、外国との生産条件の格差を埋めるための交付金と、収入変動の影響を緩和するための交付金を交付するものであります。
これまで行われていた農産物の生産量に応じて助成を行う価格対策は、不十分ながらも生産を続ける条件になってきました。
小麦や大豆では農家の販売価格が輸入価格の影響を受けて、生産コストをはるかに下回るため、生産を維持するには政府の価格補てんが不可欠でありました。
また今後、対象となるのは、個別の農家経営では4ヘクタール以上の規模を持つ認定農業者であり、集団では、法人経営に切りかえる計画などの要件を満たす20ヘクタール以上の集落営農であり、多くの農家が対象から外されてしまいます。
農家を経営規模の大小で区別するのではなく、続けたい人、やりたい人を大事にし、農家経営の多くを可能な限り維持することに力を注ぐべきです。
本請願は1つに、品目横断的経営安定対策を中止し、すべての農家を対象に、価格保障を基本とした経営安定対策を実現すること。
2つに、規模の大小を基準にするのではなく、実状を踏まえた施策を強めることの2点を訴えています。
委員長報告は不採択でありますが、採択されることを求めます。
以上で、討論を終わります。
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