5月に起きた薬剤空中散布によるものと思われる健康被害の発生について、19日の午後7時より第5回目の「健康被害原因調査委員会」(山本廣基委員長)が開かれました。
島根大学の教授や医師ら専門家で委員会は構成されており、活発に議論が行われている様子でした。この日の会議では、被害者からヒアリングを実施するにあたってそれをどのような対象、方法で行うかの議論や、委員による分析の結果の報告等が行われました。
印象的だったのが、元大阪大学大学院理学研究所の植村委員の「住友化学による文書における、スミパインMC剤の有効成分スミチオンの眼刺激性についての記述の変遷」と題する指摘でした。
配布された資料では、安全性の根拠とされている「ウサギを用いた試験結果では、眼や皮膚に対する刺激性はない。(日本農薬学会誌、13 401 1988)」とした記述について、その引用をさかのぼり「『スミパイン乳剤及びスミパインMC剤に関する技術レポート』のスミチオンの眼刺激性に関する記述は間違い」と鋭く指摘。傍聴席から聞いていて説得力を感じました。植村委員の他にも同じような事を指摘する委員もあり、出席していた住友化学(株)の担当者も「可能な限り調査する」ことを約束しました。
この指摘がもしも事実であるならば、重大な事になります。今後の動向を見守りたいと思います。
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