12月議会に提案された議案の主なものは以下のとおりです。
(予算関係)
(条例関係)
日を追うごとに寒くなる毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。出雲市議会は、29日より12月定例会がはじまり、熱い(?)論戦がおこなわれています。
初日、議員提案によって「議会基本条例(案)」が提案されました。議会の活性化に向けた活動方針などが明記され、評価できる部分も多いのですが、「国内外の地方公共団体及び議会との活発な交流などその個性をさらに発揮し」(前文)あるいは「国内外の地方公共団体及び議会との交流連携を推進」(条文)などと明記されています。
私は、海外との交流に異議を唱えるものではありません。しかし、出雲市議会がこれまで行ってきた「国際交流」はいったい何だったでしょうか。
実際に行われているのは、「国際交流促進事業」として、議員の海外視察に2005年度は、714万3760円、2006年度は、399万8163円が、それぞれ支出され、これについて監査委員からは、次のような指摘がなされています。
「多額の経費を導入して行う事業であり、住民理解が不可欠である。そういう観点から、国際交流事業については、観光目的とか、単なる表敬訪問とかに見られないよう、その交流の成果が有効で有意義なものであり、それが議員活動・行政運営にどう生かされるか、あるいはどう生かそうとしているか具体的に示されるべきではないかと考える」(平成19年・2007年、9月定例市議会報告分 随時監査結果報告より)
市民の貴重な税金を投入してまで、議員が特権的に海外に出かける必要はありません。あいつぐ負担増で市民生活が逼迫するなか、このような事業に市民の理解が得られるはずがありません。
(写真上・新庁舎庁舎関連議案の討論に立つ私、写真下・議会基本条例案の討論に立つ萬代弘美党市議団長)
観光・産業振興特別委員会が開かれ、大社町に計画中の劇場「出雲阿國座」の総事業費がなんと、42億円にも上ることが明らかにされました。
市当局が示した事業概要(案)によると、本年12月より実施設計に着手し、2008年10月工事着工、2010年(平成22年)に開館するという計画です。
事業費は当初の計画にに比べ大きくふくらみ、建築工事に約30億円、設計・調査等に約一億400万円、用地取得・建物補償に4億800万円、敷地造成工事等に6億円、その他備品等に7745万円で総額は約42億円。財源は、まちづくり交付金が8億6300万円、合併特例債が31億7000万円、一般財源からは1億6700万円としています。
さらに、「想定思案」として示された「出雲阿國座管理運営収支10年計画」では、開館初年度である2010年度の管理運営費収支は、マイナス248万4000円、2015年度(平成27年度)以降は、毎年度マイナス2348万4000円との予測が示されました。計画段階から大きな赤字が見えています。
アンケートでも明らかなように、この計画に住民合意はなく、ただちに計画は撤回すべきです。12月議会には、補正予算が提案されますが、とても認められるものではありません。ゴミ袋の値上げ、固定資産税の増税、市営住宅の駐車場有料化、国民健康保険料の値上げなど、住民負担増が次々と押し付けられようとしています。出雲市は住民福祉の向上という自治体本来の役割を取り戻すべきです。
(写真・出雲阿國座のイメージ図)
12日から14日にかけて文教厚生委員会で視察に出かけてきました。
長野県下條村(しもじょうむら)は、長野県の南部に位置し、人口約4200人、面積37,7平方キロメートルの小さな自治体です。
注目すべきは「日本一の子育て支援村」とも呼ばれる村の施策です。中学校卒業まで医療費無料(所得制限なし)、マンション並みの若者向け低家賃住宅(家賃3万6千円)など、徹底した支援が実を結び、全国的に出生率が低迷する中、1.80(93〜97年)から、1.97(98〜02年)へと伸び、人口も年々増加しています。
これらの財源は、住民自身の手による公共事業、村役場の職員削減、昼休みの消灯などコスト削減によって捻出されています。村は豊かな自然に恵まれ、さらに図書館や文化ホールなど公共施設も充実し、まさに「住みたくなるまち」でした。定住対策や子育て支援など、出雲市にとっても学ぶべき点が多いと感じました。今後の議会活動に大いにいかしていきたいです。
(写真上・村役場にて、写真下・役場からの景色)
続いて訪れたのは、今年4月、文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」(いわゆる全国学力テスト)に参加しないと判断した、愛知県の犬山市。「犬山の子は犬山で育てる」という考えのもと、人格の形成と学力の保障を目指して、少人数学級・少人数授業、副教本の作成・活用など、独自の教育改革がすすめられています。
国が積極的に推し進めようとしている「全国学力テスト」や「学校選択制」などの教育施策は、競争原理の導入によって活性化を図ろうとするものですが、教育に競争を持ち込むことは、豊かな人間関係を育む土壌をなくし、子ども同士や学校間、地域間に格差を生み、拡大させます。
犬山市教育委員会の「実施しない」としたこの判断とその背景にある理念こそ、本当の教育であると思います。競争と評価では、真の教育はできないということが明確になりました。出雲市での全国学力テストの実施はやめるよう求めていきたいです。
(写真・犬山市役所)
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